綿の国星を読んだ。文庫版を一巻から四巻まで。実は初大島弓子。軽薄な人が絶賛していたので読まず嫌いしていたのだが、読んでみると一気に引き込まれた。ちょっと隔絶した才能を感じるくらい上手い。はあ、自分はマンガ読みとしての愛が全然足りない人間だと薄々感じていたけど…。今までこんなにすごい漫画家を避けていたとは。ほんとに恥ずかしい。
内容としては自分自身を人間だと信じ込んでいる猫を主人公とした成長物語だ。だが、今日のオタク文化を先取りしてしまったかのように、その主人公の猫はネコミミを付けた人間の少女として描かれている。また、猫を媒介にして、少女の繊細な心情を描き出すような構成になっている。醜く我が侭な全能感と、可憐で無垢な美しさが矛盾無く同居する様を描く手法はすごいと感嘆したです。はい。
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