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マイクロソフトでは出会えなかった天職

マイクロソフトでは出会えなかった天職読了。

ケロッグ経営大学院修了後(マーケティングの神様と呼ばれるフィリップ・コトラーで有名ですね)、銀行で数年勤務して、マイクロソフトに転職。その後、オーストラリアを中心にアジア全体のマーケティング責任者として幹部職の責務を果たしていた著者が、ささいなきっかけからマイクロソフトを退職し、社会起業家になっていく物語を描いた本だ。

99年にマイクロソフトを退職後、07年までに児童書を140万冊以上寄付し、学校を287校、図書館を3540館、コンピュータ教室、語学教室を117校、2336名の女子児童に長期奨学金を援助という実績を上げるNPO法人Room to Readを設立してしまった。(websiteでは2008年までの開設した図書館が累積で5000を突破したと書いてある。組織ってのはちゃんと成長の波に乗せれば等差数列ではなく等比数列的に拡大するんだな、と感嘆)

著者の営業力、組織力、ビジネスプランの構想力、どれも本当にすごい。なんといってもビジョンが明確でブレが無い。すごすぎる。NPOによるボランティア組織ってのは、色々と非効率な部分があったのだが、著者であるジョン・ウッドは革新的と言っても良いビジネスモデルをつくって運営している。途中で、マイクロファイナンスでノーベル経済賞を受賞して話題になったグラミン銀行の創設にかかわった人とかが出てくるんだが、イチイチその科白も蘊蓄に富むなあ。

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